未発表作品のあらすじを紹介
佐々木正治は、飼い犬ロンの代理でブログを立ち上げた。ロンは「前世が人間だった犬」というおっさん犬で、正治とはテレパシーで会話をする。
ロンと正治は、龍一郎の『銭湯ブログ』にコメントする人たちに興味を持ち、銭湯で初顔合わせをすることになる。
元芸人で、婚活に励む天作。ネガティブな言葉を綴る精神科の看護師、里穂。保育士として頑張っているが、虐待問題に悩む直美。隠居して穏やかな生活を送る保奈美。アクティブで充実した日々を伝える海人。この交流会は回を重ねることで、参加者同士、少しずつ打ち解け、一人一人の生活にも変化が表れていく。
一年後、龍一郎が銭湯をたたむということで、最後の交流会が開かれた。そこではある事実が明かされ、憤慨するメンバー。その場には、エレナという名のアンドロイドも現れた。
AI技術と人間が、調和していく世界は実現できるのか?
一人一人、これからの自分の人生に真剣に向き合うことになる。
遥は、子供の頃、「宇宙人に会いたい」と夢を見ていた。
二十九歳になった今では、幼稚園の先生の仕事につき、智也というちょっと生意気な彼氏もいる。特に不満もなく、それなりに幸せな毎日ではあったが、どこか心が満たされていないように感じていた。
ある満月の夜、亜美という宇宙人のような少女に出会い、遥は宇宙を案内してもらうことになる。そこは、自分のイメージが形になるという、未来意識の世界だった。
ラブリーなふねで、好きな物を食べて眠って、満足する遥。実は、智也が制作している「宇宙旅行ゲーム」に、突然入り込んでしまっている状況だった。
宇宙空間には、様々な形のふね…豪勢なふね、家庭的なふね、人々が助け合うふね、仲間で夢を実現するふねなどが、存在していた。中には、ネガティブな意識「苦しみのふね」もあった。
それらを目の当たりにした遥は、本当の幸せとは何か?
どのような「ふね」で、未来を創っていくのか?
自分自身と向き合うことになる。
そして、智也への気持ちにも変化が表れるのだった。
小説家になる夢を持ち続けてきた麻美は、三十三歳の誕生日を前に、新人賞に応募した作品が落選し、生きる目的を失っていた。
公園で、瀕死の子猫にエサを与えていた十五歳の啓吾と出会う。麻美は、彼に落選した作品を読み聞かせることになっていく。しかし、途中まで話した時、啓吾は麻美の元に来なくなる。
彼は荒れた高校生となり、麻美と再び出会う。やがて啓吾は、彼女の夢と自分の夢を重ね合わせ、映画監督を目指すようになる。そんな彼を母親のような愛で支え、見守る麻美。
そして、彼女の小説は、啓吾の映画監督デビュー作品となる。それを機に、彼は才能を認められ、若手映画監督としての地位を固めていくのだった。
渡米を考える啓吾に、一緒に行こうと誘われる麻美。彼女は、この先の人生をどのように選択していくのか?
幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられたソラは、バイトをしながら毎日を淡々と生きていた。
だが、大地震によって生活が様変わりし、震災後の町の状況の写真を撮るうちに、ソラは「生きようとしている自分」、「生まれ変わったような自分」に気づく。また、急に人の「色」や「オーラ」が見えるようになり、戸惑っていた。
その頃に出会った看護師のミヤは、「透明の色」だった。ミヤは、ある特殊な能力を持っており、仕事や生活の中で、その能力を活かしていた。
二人は惹かれ合い、少しずつキョリを縮めていくが、同時に、お互いの壁も感じとっていた。
ソラは、ボランティア活動で様々な人と出会い、これからの人生を模索していく。
「自由の星」という天界で、何不自由なく暮らすアマネは退屈していた。
そこで、自分で人生のシナリオを準備し、ネガティブな感情を味わえる地球へ
転生することにした。親友のミコトも一緒だった。
地球に降り立った天音と美琴も、親友で同級生だった。
高校卒業後、10年ぶりに再会した時には、天音は結婚して出産後、
離婚していた。独身の美琴は、重い病を患っていて、二人とも幸せとはいえない状況だった。
病院での治療を拒んでいた美琴は、「未来へ繋ぐ」という施設を知り、
天音の付き添いのもと療養に行くことにした。
「虹の森ホテル」という名の施設は、人生のシナリオの書き換えや、
地球での役割の確認、人生に疲れて休息に来る人もいる現実離れした場所だった。
天音と美琴はホテルで、ピアニストの紳士、宇宙人の魂を持つ少女や天使、
人の心が読める個性的なスタッフたちと出会い、今までの価値観が変わっていくのだった。
二人はホテルから元の世界に戻ると、それまでとは全く違う人生、
「魂の生き方」へと変化していった。
多次元に渡る、友情、夫婦、家族…様々な形の「愛と調和」の物語。